2001年 9月 8日 宝塚の「ベルサイユのバラ」その時代、その時の生徒でしか演じられることのない物だと、 今回の、観劇で一番に感じたことかと、思います。 私は、第一次のブームの頃に、友達に原作も借りて読みましたし、僅かな知識もあった気はします。 そういう所があるのだなってね…。 今回の星組は、トップスター「稔 幸」さんと「星奈 優里」さんの退団公演。 普通でも、チケットの取れない中で、私のようについでに観劇しようなんて不届き者が、 観てこれるのかと、一抹の不安はありましたが、これがまったく苦労することなく、 二階席とは言え、チケットも手に入り観て帰れたのだから、不思議なものです。 思いつくままに、感想を書いていきます。 まず、幕開きの小公子(朝澄 けいさん)いろいろ聞いていたほどの、違和感はありませんでしたが、 やはり、上級生になってきたなと思ったのは、声の確かさ。 もともと、声質の良い人でしたが、男役の声として出来あがりつつあるのかと感心しました。 その後は、主役の登場ですが、華やかなわりに全体的に小作りな印象が残りました。 やはり、再演の雪の時の派手さが、何処かでイメージとして残っていたのだと思います。 稔さんのオスカルは、手堅い美しさというか、自分が確立してるだけに、ある程度の計算が、 役の方向を決めていって居たように思います。 しかし、なんのかんの言っても、見せ方の素晴らしさは、星トップならではで、 軍服の着こなし、マントさばきの見事さに、この作品でやっぱり良かったのかと、 ある意味見惚れてしまいます。(^_^;) アンドレの(香寿 たつきさん)は、役者肌の芝居巧者。 稔さんも、どちらかというと、役者タイプなので二人の絡みになると、落ち着いたムードの中に、 この一年で築いた、絆が役に投影されてるようで、頑張れと呟いてしまいます。 唯、残念だったのは、アンドレが視力を無くしていきますが、台詞やジェローデルとのやり取りなどで、 説明されるのですが、どうもそう見えなかったこと、特に後半の毒殺未遂や今宵一夜の時は、 かなり視力は落ちているのに、ちゃんとオスカルを見つめているように、見えてしまいます。 そう、見えない人は隠しているにせよ、まず耳で相手を探すのです。 私の中に再演で残っている、麻路 さきさん(当時研7)は、この見えない演技が素敵でした。 「見えてないのに…。」と、見てて切なくなるほどに、オスカルの側に居ることに、こだわる姿が、 印象的でした。 公演日数も、残り僅かですが、香寿さんならきっとこの辺りも最後までクリアしてくれることでしょう。 大きく、温かくオスカルを包み込むアンドレ像を、極めて欲しいです。 アントワネット(星奈 優里さん)は、やっぱり綺麗かったです。 でも、出番が本当に少なくて、出し切れなかったというか、まだやれるもっと魅せれると、 思ってしまう。 フェルゼン(安蘭 けいさん)との、逢瀬も多くないためか、彼女が追い込まれていく過程が、 描き切れていませんでした。 時間の制約によるものでしょうが、二人にとってかえすがえすも、残念でなりません。 ベルナール(久城 彬さん)は、立ち回りを初めとして、見せ場のしっかりした役です。 アンドレの目のことも、今回は原作どおりに、彼との戦いが原因となっています。 市民側の代表者でもあるわけで、オスカルに多大の影響を与えていきます。 後にロザリー(秋園 美緒さん)と、結ばれているのですが、二人のジャルジュ邸でのやり取りが、 ありませんでした。ロザリーが、好意を持っていると判る場面しかなく、彼女がオスカルを慕っていた。 そのエピソードも、まったく触れられていません。 突然出てきて、キャーキャー騒いで、いつの間にか、二人は結婚していました。 不思議な光景と言えば、不思議ですよね。 でも、2幕のベルナール、素敵でしたよ。代表者らしく、皆をまとめながら、オスカルに決断を迫る。 実際はそうでもないのもですけど、彼等の行動が決断させたと考えても良いと思います。 ジェローデル(夢輝 のあさん)なかなか頑張っていましたが、オスカルより、 やはり子供に見えてしまうのは、悲しかったです。 学年差は、この場では太刀打ち出来る物では無かったのでしょうね。 見た目は、きれいだし素敵だったのですが、帽子と今ひとつの色気不足が気になります。 これから発揮されると、信じましょう…。 衛兵隊のメンバー達。 リーダー格のアラン(真飛 聖さん)は、突っ張った子供って雰囲気から抜け出せずに居ますが、 それは、他のメンバーも同じ事で、でもそんな連中だからこそ、オスカルに心酔して着いていく決心が、 出来たら、あれ程の力を発揮するのだろうなと、結構この連中好きです。 どうしても、一回限り観劇だったので、全員に目が届きませんでしたが、立ち回りにしても、 訓練のダンスも、星っ子健在ぶりを見せてくれて、あの中から数名抜けてしまうとしても、 なんの心配も要らないなと、頼もしく観ていられました。 フゥー、主立った所は、これぐらいかしら…!? 一気に書いてしまおうと、言うのだから、落としている方居たら、すみません。(^^ゞ 次は、フィナーレです。 やっぱり、持っていきかたが、上手いというか、魅せてくれました。 退団者の見せ場を押さえつつ、これかの顔も見せていく。 各自の魅力を明確に、作り込まれていましたよね。 イャー、最終的に皆が良い顔してて、ウルウル来るんですよ、 「良かったね、頑張ったね。」と、退団していく方達観てて思わず呼びかけてしまうし、 残る生徒達、特に香寿さんには、これから宜しくお願いします。と、語りかけてしまう。 (あくまでも、頭の中です。声に出してたら不審者です。爆。) うん、私的には、満足できる作品でしたよ。そりゃ、再演と違うところが多すぎて、 戸惑うことも、多かったですけど、最初に書いたように、 その時代、その時の生徒の「ベルサイユのバラ」なんだと、納得出来ました。 Megu |